「患者さん向けの魅力」と「求職者向けの魅力」は別物です

「患者さん向けの魅力」と「求職者向けの魅力」は別物です

「うちは地域でも評判のいい病院なのに、なぜ看護師が集まらないのだろう」

こうした声を、医療・介護の経営者の方からよく伺います。患者さんや利用者さんから信頼され、地域に必要とされている。それなのに、働く人はなかなか集まらない。一生懸命に良い事業を続けている方ほど、このギャップに戸惑うのだと思います。

原因の一つは、「誰に向けた魅力を伝えているか」にあります。

ホームページは、誰に向けて書かれていますか

多くの医療機関や介護事業所のホームページは、患者さんや利用者さんに向けて作られています。最新の設備、専門的な診療、温かいケア。どれも大切な強みです。

しかし、求職者が知りたいことは少し違います。

  • 入職後、誰がどのように教えてくれるのか
  • 家庭や子育てと両立できるのか
  • 自分の意見を聞いてもらえる職場なのか
  • この先、どんな成長ができるのか

患者さんにとっての魅力がどれほど高くても、この問いに答えていなければ、求職者には「よく分からない職場」に見えてしまいます。

将来のスタッフを「もう一人のお客様」と考える

私は医療機関で約12年間、人事を担当してきました。その中で実感したのは、採用では「将来のスタッフ」をもう一人のお客様として考える必要がある、ということです。

患者さんに選ばれるために工夫を重ねているのと同じように、求職者に選ばれるための言葉も必要です。そして、その言葉の材料は、すでに職場の中にあります。長く働いている職員がいるなら、その方が辞めない理由こそが、求職者向けの魅力です。

「伝わる魅力」は、定着にも効いてきます

求職者向けの魅力を正直に伝えると、その魅力に共感した人が応募してきます。入職前の期待と入職後の現実が近いため、「思っていたのと違う」という早期離職も起きにくくなります。

逆に、実態より良く見せようと飾った言葉は、一時的に応募を増やしても、入職後の失望となって返ってきます。大切なのは飾ることではなく、あるものを正確に言葉にすることです。

荒井社会保険労務士事務所では、評判は良いのに人が集まらないという不満をお持ちの医療・介護の方に、求職者向けの魅力を引き出して発信する支援を提供し、その不満を取り除くお手伝いをしています。

今日からできること

御社のホームページを開き、「ここで働く人に向けた文章」が何行あるか数えてみてください。その行数が、いま求職者に届いている情報の量です。